1603年(慶長8年)に江戸幕府が開かれ、長きにわたって戦乱のない平和な時代が続きました。この江戸時代は、日本文化が大きく花開き、生活様式や社会秩序も成熟期を迎えた時代でもあります。
この時代の人々の暮らしの中から、四季折々の年中行事や祭りが生まれ、洗練された美意識や生活文化が形成されました。また、寺子屋が発達し、その識字率は世界でも最高の水準に達しました。環境にやさしい循環型社会の知恵や、多くの災害を乗り越えた都市再生の活力などにも、学ぶべきものが多くあります。
現代の日本は、技術の進歩、経済の発展により豊かな時代を謳歌していますが、反面、「心の時代」への回帰も提唱されています。日本の近未来には、食料・エネルギー・環境などの問題が山積されています。本来、日本の心はモノを大切に人の力で、環境にやさしくというライフスタイルを形成してきました。その身近なルーツが江戸の社会にあるのです。
こうした先人と時代の優れた文化や生活の知恵を学ぶことで、今見失いがちな日本の心を思い起こし、未来に役立てようという趣旨のもとで、2006年に第1回、そして一昨年、昨年と第2回、第3回が行われ、団塊世代の男性を中心に9歳から90歳までの老若男女の方々、計27000人が受検に臨みました。
これも、次代を目指す多くの方々の賛意と意気と受け止め、更に多くの方々と共に、この事業を発展させてまいりたいと思います。
この検定は、一般社団法人江戸文化歴史検定協会が主催し、江戸東京博物館の監修のもと、各方面のご協力をいただき、実施しています。
3級、2級、1級の違いは
それぞれの級で難易度にどれくらい差があるのか、具体的な例を挙げるのは困難ですが、海外旅行に必要な知識になぞらえてお考えいただくとわかりやすいかもしれません。
3級合格に必要な知識は、短期の観光旅行レベルです。必要手続きの大部分は旅行代理店に任せるとしても、美味しいレストランの情報や、観光名所に関する多少の蘊蓄くらいは前もって得ておきたいもの。また、ショッピングを楽しむには、現地の通貨単位や円との交換レート、インチやポンドなど、度量衡の知識も必要でしょう。これが3級合格に必要なレベルです。
2級合格に必要な知識は、短期留学のレベルです。ビザの取得から入学手続き、生活に関する諸々のこと、病気や怪我などのトラブルの解決も自分でできなければなりません。その国の生活習慣や文化・伝統に関する知識も必要でしょう。ここまでが2級合格に必要なレベルです。
1級となると、現地で旅行ガイドとして生計が立てられるレベルになります。お客様を知られざる名店に案内したり、手に入りにくいプレミアムチケットを入手したりと要望にはなんでもこたえられなければなりません。政治や経済にも通じている必要がありますね。その国での暮らし方、楽しみ方を知り尽くし、初心者に手ほどきできる実力、それが1級合格に必要なレベルです。
面白いと思ったことから始めよう
「江戸文化歴史検定」は、いたずらに知識の詰め込みを求めるものではありません。要は、皆さんが「おもしろい」と興味を感じられたところから、手を付ければよいでしょう。
過去の高得点者の中には、こどもの頃に滑稽本や洒落本を読んだことが、江戸時代に関心を持つきっかけとなった方がいます。この方は、その後もこうした本をおもしろがりながら読み続けたことが、大いに受検の参考になったとして、「好きな分野を選んで興味のあるものから触れていくことが、江戸を知るもっともよい方法ではないでしょうか」と話していらっしゃいます。
この他にも合格者の皆さんからは、「古典落語が好きだったから」「川柳が好きだから」という声が協会に寄せられました。
やはり基本は公式テキスト
3級の場合は公式テキスト【初級編】『大江戸見聞録』から約7割が出題されるわけですから、やはり『大江戸見聞録』を読み返すことが合格への近道になるのではないでしょうか。
2級の場合は、従来の『大江戸見聞録』から、新たに発刊される公式テキスト【中級編】『江戸諸国萬(よろず)案内』がメインとなります。今回よりこの『江戸諸国萬案内』から約5割が2級問題として出題されます。
1級の場合は、公式テキスト【上級編】『江戸博覧強記』がもっともよい参考書になります。
また、過去の出題問題に詳細な解説を加えた公式解説集『江戸吟味問答控』『第2回江戸吟味問答控』『江戸検 出題問題公式解説集』も出題の傾向を知るうえで参考になります。
さらに、『ビジュアルNIPPON 江戸時代』や、これから続々と登場予定の「江戸文化歴史検定」関連図書もご参考になるかと思います。関連図書の出版につきましては、このホームページでも随時ご案内をさせていただきます。

